1 イタリアへの旅——レオナルド・ダ・ヴィンチ『最後の晩餐』を見る

アートの評論家、解剖学者という肩書きを持つ布施英利は、アーティストを志す息子を持つ父親でもあります。ここでは、親子ふたりがヨーロッパ旅行でふれたアート体験を通して、つい子どもに教えたくなるようなプロによるアートの読み解き方、そして布施流子育て論をお届けします!

イタリアから、アート三昧の旅がスタート!

この夏、長男とふたりで、イタリア・フランスを旅した。

たくさんの絵画や彫刻を見る美術紀行だった。この連載では、かつての自分の子育て体験などを回想しながら、その旅の話を書いてみることにしたい。自分は芸術の研究に日々取り組んでいるので、「創造性を育てるには、どうすべきか?」ということにも関心がある。子育ての経験なども交え、連載の最後には、そういう「創造性を育てる」ことについても考えてみたい。

幼い頃の息子(左)と、今回の旅での息子(右)

さて、息子は22歳で、この春に東京藝術大学の油画科を卒業した。いまは大学院でメディア映像を専攻している。現代アート作品の制作に取り組んでいて、映像を使ったインスタレーションや、絵画制作の勉強をしている。その息子とのふたり旅なので、行き先はすべて美術を見るための場所だった。まずはイタリアへ行き、ミラノやフィレンツェ、それにベネチアやパドヴァを訪ねた。ルネサンスの古い美術をはじめ、ベネチア・ビエンナーレという現代アートの祭典なども見た。

ここでは、その中でも最高の作品、レオナルド・ダ・ヴィンチの『最後の晩餐』のことを書いてみたい。

自分の専門のひとつがダ・ヴィンチの研究で、現在の中学2年生向けの国語の教科書に、自分が書いた「君は『最後の晩餐』を知っているか」という文章が載っている。光村図書の教科書で、全国の7割ほどの中学校で使われているので、日本の中学生の7割は、自分が『最後の晩餐』について書いた文章を、楽しんでか嫌々ながらかは分からないが、ともかく教室で精読していることになる。

その『最後の晩餐』を、この夏に長男と見た。

 

>>次はいわずと知れた名画の実物は、3D作品のような迫力!

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Spring-Summer 2017