マリメッコ、その根強い人気の理由。

開催中の『マリメッコ展』には連日多くの人が集まり、その人気の高さを証明しているフィンランドのブランド、マリメッコ。なぜ半世紀以上にわたり、世界中の人々を魅了しつづけているのか? その理由を同社のミンナ・ケメル=クトゥヴォネンさんに聞いてみた。

「マリメッコが長きに渡り、なぜこのように豊かなデザインを生み出せてきたのか。それは実は私たちがものづくりの能力に長けている民族だということよりも、フィンランドの寒くて長い冬が一番大きく影響しているように思います」

そう語るのは、マリメッコでインテリアファブリックのプリント開発に携わるミンナ・ケメル=クトゥヴォネンさん。いまでは世界中に多くのファンを持つブランドに成長したマリメッコだが、その歴史はいまから半世紀以上前、1951年の戦後まもないフィンランドへと遡る。

「創業者のアルミ・ラティアは、非常にクリエイティブで、パワフルな女性でした。若くて才能のある外部デザイナー(その大半が女性!)を次々に呼び寄せては、時代ごとに新しいテキスタイル、そしてファッションのトレンドを生み出してきました」

マリメッコは戦後の貧しい環境からフィンランドを救い、人々の暮らしを明るく彩りのあるものにしただけでなく、女性の社会進出の礎ともなったとミンナさんはいう。
創業から半世紀を超えたいまも、その勢いが衰えない理由。それは、創業当時の力強いクリエイティビティを常に見返すことを忘れないからだとも。

「時代ごとにさまざまなムーブメントが生みだしました。それぞれを“過去のもの”として倉庫の奥底に眠らせておくのではなく、何度もそのアーカイブを取り出しては現在のアングルから見返してみる。モチーフのスケールや構成をアレンジしたり、カラーバリエーションを組み替えてみる。ときに最新の加工技術で仕上げてみることもあります。このようにして何度も深く掘り込んでいくと、そこから次なる未来が見えてくることがあるのです」

多様なデザインのファブリックは揃うものの、ユーザーの立ち場からすれば、どのように使えばインテリアファブリックをもっと効果的に活用できるのかが知りたいところ。

「ファブリックは、自在に形をアレンジすることができるので、実はもっとも手軽なインテリアアイテムだと私は思います。気分やシーンに合わせて置き場所を変えるだけでもがらりと印象は変わるので、朝食と夕食で異なるテーブルクロスに広げて雰囲気を変えたり、季節ごとにカーテンやベッドリネン、ウォールファブリックをチェンジするとプチリフォームしたような気分になれるかも」

家具を買い換えるとなると大変だけれど、テキスタイルだけならばそれほど予算もいらないとミンナさん。そのときは具体的な使い道がなくとも、好きなデザインを見つけたときに購入しておいて、洋服のコーディネートを考えるようにアレンジを考えてみると、きっと楽しくなるとミンナさん。

「でも、もっとも大切なのは、余計なものを持たずないこと。自分が美しいと感じるものだけで身の回りを構成すれば、必然的に空間がすっきりして、気持ちもワクワクするはずですよ」

 

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DATE 2017.01.30

『マリメッコ展―デザイン、ファブリック、ライフスタイル』

住所:東京都渋谷区道玄坂2-24-1
TEL:03-5777-8600
会場:東京都 渋谷 Bunkamura ザ・ミュージアム
開催期間:2016.12.17(土)~2017.2.12(日)
時間:10:00~19:00
  (金、土曜は21:00まで、12月31日は19:00まで、入館は閉館の30分前まで)
休館日:1月1日
料金:一般1,400円 大学・高校生1,000円 小中学生700円
※障害者手帳の提示で割引
Minna Kemell-Kutvonen ミンナ・ケメル=クトゥヴォネン
ヘルシンキ芸術大学(現在のアアルト大学)でファッションデザインを学んだ後、マリメッコに入社。デザイナー、商品開発担当、ストアマネージャーとしてのキャリアを経て、2014年よりホーム商品・プリントデザイン&商品開発ディレクターに就任。


Photograph:Kaku Ohtaki
Edit & Text:Hisashi Ikai

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