ピノキオ
悪い癖。
たいして使わないのに、“連れて帰って”しまう。
外見の愛くるしさだけで買うことに、いささかのためらいもない。
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昔、イタリアに行った時に買った、ピノキオのくるみ割り器。
けれども、くるみが食卓にのぼることはいまだかつてなく、
もっぱら、銀杏を割るために、彼はテーブルへと呼び出される。
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先日、山下公園を妻と歩いているとき、
歩道に、たくさんの銀杏が落ちていた。
思わず、「拾って帰っちゃおうか!!」と盛り上がるほど。
かかとで、踏んでしまったときに感じる、硬質なかりっとした音。
彼は、健気にもその音、感触を再現してくれる。
単なる鑑賞、愛玩の対象だけではない。
「彼には、れっきとした役割がある」。
そう思うと、ますます愛着が湧いてくる。
