イクメンブームにも貢献した女性?
障害者郵便不正事件でえん罪により
収監された(当時、 厚生労働省雇用均等・児童家庭局長)
村木厚子さんの著書『あきらめない』を読みました。
村木さんといえば、
それまで、1年間の育児休暇後は
通常勤務で復職しなければならなかったところを、
3歳までは時短で勤務できるように、
そして、父親も育休を取りやすくすべく、
法改正に尽力したことでも知られます。
イクメンブーム(?)につながる
流れを作ったのも彼女といえるでしょう。
自身も、厚労省発の造語でいちばん
成功したのが、「ハローワーク」と
「イクメン」ですと、分析。
彼女が逮捕された当時はまさに、
その育児法改正法案が
国会で成立するタイミングでした。
「女性の社会進出により、
彼女たちがこどもを産まなくなった」
という意見、指摘に疑問をいだき、
女性が働くための法整備が進んでいる国のほうが
出生率が上がっているという認識にたち、
女性が働きやすく、こどもを持ちたい人が
持てる社会の実現に向けた政策を
常に考えている方なのです。
ちなみに、2001年の省庁再編で
統合された厚生省と労働省。
その中で当時、縦割りだった労働省の女性局と
厚生省の児童家庭局を一つにしたのが、
村木さんが局長を努めたいた
雇用均等・児童家庭局。
「村木さんになりたい」ではなく
「村木さんでもできた」という
“普通の人”のロールモデルになりたい。
その思いで、官僚として
キャリアアップを重ねてきたその軌跡。
極度の人見知りであった彼女が
いかにその階段を上り詰めていったかが
興味深く書かれていると同時に、
後半は、そんな「普通」を自認する
彼女が突如、逮捕されるという悲劇に
見舞われたその顛末、一部始終を
実際に報道された内容や、大阪地検特捜部の
生々しい取り調べの様子、そして
村木さんの家族との絆でこの難局を
乗り越えたエピソードなどで
振り返っています。
逮捕直前、取り調べを担当した検事を前に
ご主人に「たいほ」とメールを
こっそり打つスリリングな場面。
読み手の緊張感も一気に高まります。
ご主人、2人の娘さんから
村木さんに宛てた手紙も載録されていて、
これがとっても愛情と尊敬にあふれていて感動的。
思わす笑ってしまったのが、
村木さん不在で家宅捜査に
立ち会った次女の述懐。
“樹海”と家族から揶揄された
(彼女の)部屋に入った
捜査官がすぐまた出てきて、
上司に、「ここは。無理です」と報告する場面。
拘置所では、本は外部との通信手段に使われていないか
チェックが行われた後に施設内に持ち込まれるそうですが、
読書好きの村木さんが所内で読んだ
全149冊のリストも巻末に記されています。
「私は仕事がつらい時、娘に
『ちょっと頭なでてくれる?』とお願いして
『よしよし』と言ってもらってます」と
チャーミングな母親としての顔を持つ彼女。
無罪となって復職後、
現内閣府では政策統括官として
「待機児童ゼロ特命チーム」の
事務局長も兼務されている村木さん、
今後のますますのご活躍を期待しております。

